ヨロズな感想日記

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好きなことをやる人こそ美しい。映画「桐島、部活やめるってよ」感想 ※ネタバレ有

好きなことややりたいことをやってる人のブログを見るのが好きで、自分もそうありたいと思っているのですが、「桐島、部活やめるってよ」を久々に見直してみたら正にそういう話でめっちゃ心に染みました。

 


映画『桐島、部活やめるってよ』予告編

 

目次

カーストのトップ「桐島」の存在

タイトルにも出てきて作中何度も名前が出てくる「桐島」。

バレー部のエースで超万能型。スクールカーストの頂点。「桐島」が中心の高校生活。

 

つまりはここでは「桐島」そのものが高校生活の象徴ってことになるんですよね。

そんな「桐島」が突然いなくなることで、みんな激しく動揺する。

今までの日常が破たんするわけですからね。

 

「桐島」が最後までみんなの前に出てこないのも、このあたりを強調して描くためでしょう。

 

人生に意味を見いだせない

「桐島」の不在で一番動揺していたのが「桐島」の親友である宏樹くん。

 

「スクールカーストトップの桐島の親友」っていうのが彼の居場所だったわけだけど、

その桐島がいなくなることで「じゃあ俺って一体何なの?」ってなる。

 

野球の実力者だけど野球部はサボりがち。進路志望の書類がなかなか書けない。彼女いるけど恋愛を楽しんでる感じでもない。

 

目標もやりたいことも何もない。過ぎてく毎日に、人生に一体何の意味があるのか。

ある意味依存していた「桐島」がいなくなることでそれが更に露呈していく。

 

エンドロールでそれぞれの役名のあとに所属部が表示されてるんですが、宏樹くんだけ「宏樹(  )」になってるところがなんだか象徴的だなと思いました。

 

桐島の不在に全く動揺しない人達

スクールカーストのトップ「桐島」がいなくなっても全くぶれない人達がいます。

 

それは野球部キャプテン、吹奏楽部部長の亜矢ちゃん、映画部の前田くんの3人。

共通点は「自分のやりたいことが見つかっている人」。

 

自分の好きなことをやっていきたい人達だから、トップがいなくなろうが、スクールカーストがどうだとか全く関係ないんですよ。

 

よくこの映画が「スクールカーストを描いた作品」って紹介がされるけど、それだとちょっと焦点が合わないと思う。

 

吹奏楽部の後輩の女の子が、部長の亜矢ちゃんに「演奏している部長見たら好きになる男子いっぱいいますよ。」っていうセリフがあるんだけど、このセリフがこの作品のミソだと私は思う。

自分の好きなことを見つけて、好きなことをやる人間の充実した姿こそ美しい。

 

冴えない映画部の面々が「自分達の撮りたいもの撮ろう。」「こんな楽しいの初めてだよ。」って言って撮影に打ち込んでる姿はすごく魅力的に見えたし、その一生懸命さは踏みにじられるべきではない。

 

人生に意味なんてない

屋上での宏樹くんと前田くんのやり取り。

あれが素晴らしいですよね。

宏樹くんが前田くんにカメラを向けてインタビューするところ。

 

どうして映画を撮ってるの?将来は映画監督?女優と結婚したいとか?アカデミー賞を取りたい?

 

宏樹くんは前田くんに教えてもらいたいんですよね。人生の意味。

 

それに対し前田くんは「映画監督は無理。映画を撮ってると自分の好きな映画と繋がっている気がして…。」っていうことを照れながら回答するんです。

つまり目標とか意味なんてないけど、好きだからただやってるだけなんだって。

 

それを聞いて泣きそうになる宏樹くんの表情がとてもいい。

好きなこと、やりたいことが何もない、カメラを向けられてもインタビューに答えられない空っぽな今の自分が情けなくなっちゃったんだろうな。

 

ラスト、「桐島」に電話をかけながら一生懸命練習する野球部のメンバーを見つめる宏樹くん。

 

このシーンで締めるところがすごく良かったです。

 

宏樹くんがその後本当に野球部に戻るのかどうかはわからないままですが、自分の本当にやりたいことが彼にも見つかるといいなって思う。